八ヶ岳の清流での 百人帯の川晒し

  • 2016.08.15 Monday
  • 23:19

 

先日、第2弾の百人帯の川晒しを行いました。

 

八ヶ岳の麓、水晶の山と言われる瑞牆(みずがき)山にほど近い、涼やかな清流にて。

 

 

眩しい夏の日差しのもと、

ゆらゆらと 大麻の百人帯が泳ぎます

 

川の水は 澄み切って、とても冷たかったです。

 

 

初日は 大麻博物館の 高安館長、

映画「麻てらす」の 吉岡監督も駆けつけてくださり

 

夏休みですから、インストラクターさんのお子さん達も参加されてにぎやかな一日となりました。

 

 

設置風景です。ずっと浸かっていると痺れるほど山の水は冷たく。

 

 

しっかりと日差しにあてながら晒すために

刻一刻と移り変わる山の影に入らないように場所を移動していきます。

 

それでも、しっかりと固定した後は、有り余る時間が・・・

何しろ、流されていかないように 誰かが交代で気をつけておけばよいのですから・・・

 

子どもたちは石投げ、川遊び

(大人も 川遊び^^)

 

冷やしたキュウリやトマトをいただいたり、

川辺でウクレレを弾くインストラクターさん、

 

絶えることのない涼やかな水の音に

蝉たちの大合唱、

 

ひんやりとした水飛沫を受けながら、都会の生活ではあり得ない ゆったりとした時間が流れて行きました。

 

 

麻畑で丹精こめて育てられ

たくさんの人たちの手績みで糸をつくり、手織りで織られたこの帯が

 

太陽の力と水の力で さらに 味わい深く、なじみやすいものになっていくのです。

 

 

川晒し後の百人帯です。

 

 

フノリがおちて柔らかくなり まだまだですが、目が詰まったかな?という感じです。

 

 

あるインストラクターさんは

 

特別なことではなく、営みのひとつ。

女性たちの手仕事、暮らしの風景として、深いところに染み込んでいけばいいな、

 

と言われていました。

 

 

「川に晒す」という行為だけではなく

 

この風景、時間のゆるやかな流れのすべてを持って川晒しなのだと

気づかされました。

 

 

これにて、

 

第一弾の百人帯は 雪晒しを

第二弾の百人帯は 川晒しを

 

それぞれ、行うことができました。

 

 

それぞれに、ふさわしい呼び名をつけさせていただこうと 考え中です!

 

夏の清流の 涼しい音を記憶したこの帯は、さて どのような名前になるのでしょうか?

 

 

シンプルな工程でしたが、今回も とても貴重な体験をさせていただけましたことに

感謝をこめて・・・

大麻がつないだ源平の 遠い昔の恋物語 

  • 2016.06.22 Wednesday
  • 22:57

 

時を超えて巡り合う。そう言うとまるで物語の中だけの出来事のようですが・・・
今日のお話は 大麻が再び結び合わせた、遠い昔の恋物語(実話)です。

 

今回、私たち社団法人「日本古来の大麻を継承する会」の一人、河野さんが、麻をテーマとした映画「麻てらす」の吉岡監督の縁により、宮崎県の某山奥のそのまた奥に、今も現役で使用されているという大麻の御神楽衣装の調査の為、その地を訪れることになりました。

 

 

道中、行き先は【平家の落人の末裔の村】とお聞きすることになります。

 

ところで、河野さんは、弓道をたしなみ、その弓弦を作りたいと大麻の糸績みを始められたのでした。弓道といえば「那須与一(なすのよいち)」。古文にも出てきましたね。波に揺らぐ舟上で舞う扇の的を射た、弓の名人です。栃木県 那須ゆかりの源氏の弓の名手です。

「よっぴいてひやうど放つ。(よく引いて、ひょうと放つ!)扇は空へぞ上がりける」

『扇の的』より

 

さて、物語の舞台は古(いにしえ)に移ります。宮崎県は椎葉(しいば)村の源平の悲恋の物語です。

そこは山奥の平家の落人の村でしたが、容赦なく源氏の追手が迫ります。あの弓の名手、那須与一が討伐に行く予定が病気で行けず、その弟の大八郎さんが赴く事になったのでした。

 

大八郎さんは椎葉村の平家の鶴富姫(つるとみひめ)と出逢い、源平の宿敵であったはずの二人は恋仲に・・・

 

平家の落人は田畑を耕して暮らし、もはや反旗を翻す気もありません。それより、姫のことが・・・大八郎さんは鎌倉に嘘の報告を送ります。

 

しかし しばしの蜜月の後、大八郎さんに鎌倉への帰還命令がなされます。
その時、鶴富姫のお腹には小さな命が宿っていました。

 

二人は約束をします。
「生まれた子が男の子なら鎌倉に送りましょう。生まれた子が女の子ならば、この椎葉村で育てます」と。

 

果たして、生まれたのは女の子でした。その子が成長した暁に婿をとり、もう会うことのできない愛しの大八郎の姓「那須」を名乗らせたのだそうです。

 

それぞれの子孫は繁栄し 現在も椎葉村には 椎葉姓と那須姓がとても多いのだそうです。

御神楽の衣装を見せてくださった二人のお爺様も「椎葉さん」と「那須さん」でした。

 

日本各地に残る源氏と平家の末裔は今でも仲が悪いところが多いそうなのですが、椎葉村ではとても仲がよいのだとか。遠いご先祖である鶴富姫と大八郎さんの悲恋のことを記憶のどこかに留めているのかもしれませんね。

 

 


その物語の舞台の椎葉村の 古い大麻の御神楽衣装・・

 

その紛れもない古い大麻製の、椎葉村の御神楽衣装は、ところどころほつれ、見せていただけるだけでも畏れ多い事なのに、なんと私たちが大麻の糸作りが出来るということで修復を今後の視野に入れ、一着をしばらくお預かりさせていただくことに・・!

 

 

よくよく考えてみると・・・

 

鶴富姫のおられた 椎葉村の御神楽衣装を 

大八郎のゆかりの那須の(現在の栃木の)大麻の糸で修復することになるのです。

 

二人の遠い別れの日から 長い、長い時を隔て 今 繋がる「赤い糸」。

 

包ませて頂いた御神楽の衣装の重みが、何だかおふたりの赤子を抱いているような気持ちにもなり、大切に預からせて頂きました。

ちなみに、鶴富姫のお墓は椎葉村に、大八郎さんのお墓は那須(栃木県に)あるのだそうです。

 

(大八郎さんと鶴富姫)

 

 

さて、ここから先の話は単なる憶測です。どうぞ聞き流していただけますように・・


今回のような不思議な縁を聞くたび 思うことがあります。


「大麻には結ぶ力がある」と。


椎葉村の歴史をずっと見守ってきた大麻製の御神楽衣装は 
その村の悲恋を知ってか知らずか

奇しくも愛しの人の眠る土地の糸を呼び寄せた。

 

修復されたなら 新たな命を吹き込まれたその衣装は
古の離ればなれの二人の思いを結び合わせたように

 

未来にも 新しい物語を結んでいくことでしょう。

 

大盛況の「日本古来の麻布展」 「日本古来の大麻について」講演会!

  • 2016.06.16 Thursday
  • 21:54


6月10日 梅雨の晴れ間は抜けるような青空
栃木市横山郷土館で初の麻布展となりました

麻問屋さんの財の傍ら銀行をされたという横山家の御屋敷は
蔵の街栃木にふさわしい佇まい

郷土館全景
 

タイムスリップでもしたような光景から記念すべき一日が始まりました


タイムスリップ?


展示模様

宵衣堂さんによる貴重な大麻布のコレクションに並び
百人帯プロジェクト第二弾の帯も堂々お披露目

受講生作品

百人帯プロ二本目

百人帯プロジェクト第一弾の帯は、大麻古布を藍染したお着物に着せていただきました

百人帯プロ一本目と大麻布藍染着物

栃木・福島の受講生さんによる10人糸で織るショールも発表され
ご来場の皆さまはお着物を試着したりショールを羽織ったり・・・
思い思いに大麻布に触れておられ、初夏の緑あふれる素晴らしいお庭での
撮影会になったりと賑わいが絶えない一日です

郷土館お庭


郷土館玄関

麻の葉ガラス

玄関で糸産み


糸産み体験WS

糸産み体験WSでは、かつて麻農家さんだっという方たちがその手触りと光景と
その香りまでをも蘇らせ、懐かしくも美しい時間が流れていたり

糸産み体験WS 

糸産み体験WS

糸産み体験WS

次世代を担う若者たちが麻の繊維が糸になる様を楽しまれたり

ここで、このときだからこその何かをお伝えできたのであれば
何よりうれしいことでした



別会場で行われた大麻博物館・高安館長の「日本古来の大麻について」は
どれほど我々の暮らしに密接であったかを、そして
知れば知るほどに深い関わりであったかを初めての方もそうでない方も
改めて聴くことになりました

大麻古布

古布をキャミに

出張大麻博物館の物販コーナーでは
百年前の古布を現代の暮らしの中で日々着用できるように、
古くを大切にというだけでなく、日本古来の大麻布は使ってこそ!
の素材のもつ数々の機能性を堪能できるアイデアを提案されています





「よりひめ」は栃木産の麻を糸にしたもの
このたびは、よりひめ故郷での展示発表そして麻糸産み体験WSの開催となりましたが、
日本各地でこのような「地元」ってあるはず
日本古来の麻文化を次世代にバトンしていく種は、
そこに暮らし育まれ根付いてきた風土と技と思いと・・・・にあるはず

翌日の地元紙朝刊にも取り上げられて、関心と期待の高さを実感できる出来事として捉えられました

市の担当の方も「麻を通して市の歴史を発信できる。次回以降の開催も検討したい」と話されているように、今後もこのように、あたたかく美しい時間を各地の「地元」の皆さまと共有していけたらと願っております

 

 


主催の栃木市の皆さま、共催の那須高原・大麻博物館の皆さま、
貴重な古布コレクションを提供してくださった宵衣堂さん
そして関わってくださったすべての方にお礼申し上げます。
ありがとうございました!


                             (Photo by Yoko Yoshijima)


※栃木市横山郷土館
1902(明治35)年に建造。麻問屋と銀行を営んだ横山家が
明治時代に建てた屋敷跡で、店舗兼住宅や蔵、庭園などがある。
2015年の3月に運営主体の公益財団法人が市に寄贈し、
同7月に市直営の施設として再出発した。

 

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